その痛み、お尻に潜む「伏兵」の仕業かもしれません。
こんにちは、理学療法士の航(コウ)です🏥
お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、時には足先まで走るビリビリとした痛みやしびれ。
この症状は一般に「坐骨神経痛」と呼ばれています。
リハビリ現場でも
「どこを伸ばせばいいですか?」
と聞かれることが非常に多いのですが、自己流のストレッチが症状を悪化させているケースも少なくありません。
今回は、解剖学と臨床経験に基づき、比較的安全性が高いと考えられる対処法を整理して解説します。
1.解剖学で知る:なぜ電撃のような痛みが出るのか
坐骨神経は、腰椎から出てお尻の深部を通り、太ももの裏〜足先まで伸びる人体で最も太い神経です。
この神経がどこかで刺激・圧迫されることで、
痛み・しびれ・灼熱感などが出現します。
- 主な原因として考えられるもの
※以下は代表例であり、必ずしも単一原因とは限りません
① 梨状筋による圧迫
お尻の深層にある梨状筋が、長時間の座位や冷えなどで硬くなり、神経を圧迫するケース。
② 腰椎由来の問題(椎間板ヘルニアなど)
神経の根元で刺激が起きている状態。
この場合、セルフケアのみでの改善は難しいことがあります。
- 理学療法士としての注意点
神経は「強く引き延ばされる刺激」に弱い組織です。
痛みがある状態で無理に足を上げたり、反動をつけたストレッチを行うと、
症状が一時的に悪化することがあります。
2.実践:坐骨神経痛を和らげるための3つのセルフケア
※痛みが強い場合は中止してください
① 梨状筋リリース
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テニスボールや拳を、お尻の痛む側のやや外側に当てる
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座位または仰向けで、30秒ほどゆっくり体重を預ける
テニスボールや拳を、お尻の痛む側のやや外側に当てる
座位または仰向けで、30秒ほどゆっくり体重を預ける
ポイント
・動かさず「圧をかけるだけ」
・痛みが強くなる場合は中止
目的:
筋肉の緊張を緩め、神経への物理的圧迫を減らすこと。
② 神経スライディング(神経モビライゼーション)
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椅子に座る
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膝を伸ばしながら顔を上げる
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膝を曲げながら顔を下げる
椅子に座る
膝を伸ばしながら顔を上げる
膝を曲げながら顔を下げる
これをゆっくり5〜10回。
ポイント
・神経を「伸ばす」のではなく「動かす」イメージ
・ビリッとした痛みが出る場合は中止
目的:
神経周囲の滑走性を保ち、血流低下を防ぐこと。
③ 腸腰筋ストレッチ
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片膝立ちで、股関節の前側を伸ばす
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腰を反らしすぎず、お腹を軽く引き締める
片膝立ちで、股関節の前側を伸ばす
腰を反らしすぎず、お腹を軽く引き締める
ポイント
・腰が反らないよう骨盤を立てる
・呼吸を止めない
目的:
股関節前面の硬さを減らし、腰椎への負担を軽減すること。
3.日常生活での「防具」
坐骨神経痛では「座る姿勢」が症状を左右します。
- 円座クッション
(※効果には個人差あり)
- 温熱ケア(ホットパックなど)
※いずれも治療ではなく、環境調整の一つです。
4.まとめ:痛みは身体からの警告サイン
坐骨神経痛は、
「今の姿勢・動作・負荷が限界を超えている」
という身体からのサインでもあります。
以下の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
-
筋力低下
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感覚が鈍くなる
-
排尿・排便の異常
正しい知識と無理のないケアで、
「痛みなく歩ける日常」を取り戻していきましょう。
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執筆:理学療法士 航(こう)🏥
身体の不調という名の「デバフ」を解除する専門家。
病院での臨床経験を活かし、家でできる「回復魔法(セルフケア)」を発信中。
身体が軽くなれば、現実世界の冒険はもっと楽しくなります。
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